MIZUKAZE PROJECT STORY

「瑞風」プロジェクトストーリー

May 2018

vol.6

子どもたちの心にも刻まれる、「瑞風」の麗姿

子どもたちの心にも 刻まれる、「瑞風」の麗姿

 第6回目は、TWILIGHT EXPRESS 瑞風 のお客様を歓迎する、「おもてなし」を行ってくださっている岡山県岡山市の就実こども園についてリポートします。

 就実こども園は、JR山陽本線の線路沿いに園庭があるため、電車好きの子どもたちが多く集まることでも知られています。2015年4月に岡山市の私立幼稚園で初の幼稚園型認定こども園となった就実こども園を訪ね、園長の谷良江さんと、主任の松本理子(のりこ)さんにお話を聞かせて頂きました。

写真左:園長の谷良江さん、写真右:主任の松本理子さん写真左:園長の谷良江さん
写真右:主任の松本理子さん

 就実こども園は、JR山陽本線の線路沿いに園庭があるため、電車好きの子どもたちが多く集まることでも知られています。2015年4月に岡山市の私立幼稚園で初の幼稚園型認定こども園となった就実こども園を訪ね、園長の谷良江さんと、主任の松本理子(のりこ)さんにお話を聞かせて頂きました。

写真左:園長の谷良江さん、写真右:主任の松本理子さん お母さんやお父さんと一緒に続々と登園してくる、0歳~5歳児の元気な声があちこちから上がる園庭には、折にふれて踏切の音が聞こえます。その度に遊ぶ手を止め、通り過ぎる列車を見送る子どもたちも少なくありません。「泣いている子がいても、抱き上げて列車を見せると泣き止むんですよ」と話す谷園長自身も大の鉄道ファン。そんな園の前を、TWILIGHT EXPRESS 瑞風 が通ると知った時、「園庭のまん前を列車が通るのは、岡山市内では当園のみ。『うちがやらなくて誰が?』と思い、協力を申し出ました」とふり返ります。
 おもてなしの準備は、「瑞風」が通る1時間近く前から始まります。砂ぼこりが立たないよう、園庭には水が撒かれ、園児たちが先生方の手も借りて段ボールで作った車両や横断幕が用意されます。

就実こども園

 「毎年10月に行う運動会ではテーマを設けるのですが、今年は『瑞風』。~ちからをあわせて しゅっぱつしんこう~と題し、0~2歳児は『みずかぜこうえん』に出かけるというプログラムを。5歳児は、『6歳星』に行くために『瑞風』に乗ろうとするも、切符を失くしてしまいます。そこに助けが現れて…という設定で取り組みました。これらの演目のために段ボールなどを貼り合わせ、みんなで色を塗って見立てた車両が、おもてなしにも大活躍しているんです」

就実こども園

乗客と心が通い合う1分間

就実こども園 山陽コースの上り列車が通過するのは13時20分ごろ。その時刻の少し前にリハーサルを終えた子どもたちのテンションは、到着時間が近づくにつれ、少しずつ高まっていきます。「『瑞風』は近づいてくるとわかるんです。音がね、普通の列車とは違うんです。とてもいい音。カーテンを閉めていてもわかりますよ」と園長が話されていた通り、踏切が下りて数分後、重厚な音を響かせグリーンの車両が走ってきました。

 列車は踏切の手前から減速運行。園児たちは、手に持っていた旗をちぎれんばかりに振って歓迎します。「み~ずかぜ~~!」「来てくれてありがとう~~」。思い思いの言葉を口にしながら、何度もジャンプする園児たちもいます。車両の特長の一つでもある大きな窓から、列車の中で手を振ってくださる様子もよく見えます。時間にすれば1分弱の出来事ですが、乗客のみなさんと園児の心が通い合う瞬間を目の当たりにし、思わず目頭が熱くなりました。

就実こども園

列車が通り過ぎた後、一緒に旗を振った東岡山駅駅長さんの元に子どもたちが次々と集まってきます。帽子に手を伸ばそうとする子、胸元に輝く「瑞風バッジ」にタッチする子。大人気の駅長さんは、もみくちゃにされながらも一人一人に声をかけ、子どもたちと笑顔で交流します。

就実こども園

この日は、同市内にある「のぞみベルナデッタ幼稚園」の年長組と「就実小学校」の1年生も招待。毎回市内の私立幼稚園や近隣の公立保育園、幼稚園に声かけしているそうで、園長と主任は声を揃えて、「横のつながりを広げるきっかけにもなっています」と喜んでくださいました。

就実こども園

子どもたちにとって「瑞風」はヒーロー

 12月に行われた生活発表会においても「瑞風」は大活躍。5歳児が先生方と創りあげた創作劇のビデオを見せて頂きました。ステージには、例の段ボール製「瑞風」が置かれています。その「瑞風」を中心にお話は進みます。中盤、「瑞風」は魔王たちの魔法で小さくされてしまい、大変なことに…といった、なかなかユニークなストーリー。

 「サポートはしますが、基本的には子どもたちがストーリーもセリフも考えました」と聞いて驚きました。アイデアを出す子、話をつなげる子。全員の賛成が得られなければ前には進まないので、まとめ上げる役割も必要です。「瑞風」が子どもたちにとってのヒーロー的存在であると同時に、コミュニケーション能力に磨きをかけるきっかけ作りにも役立っていることを知りました。

僕も私も、もっと近づきたい!

 園長室で、5歳児クラスの子どもたちが作った創作紙芝居「めざせ6さい みらくるすたー」も見せていただきました。その内容は、子どもたちが大好きなシンドバッドと「瑞風」が大活躍し、みんなを6歳星に連れていくという、壮大なSFファンタジー。これも子どもたちが創りあげ、一枚一枚絵を描いて色を塗って仕上げた作品。「『瑞風』の影響力の大きさに、私たちも驚きました」と、園長と主任は顔を見合わせます。

就実こども園

 エンブレムや車体のデザインに憧れている園児も多いため、園長は駅でのお見送りも検討されています。「車体をバックに写真を撮ってあげたい」「クルーを間近で見せてあげられたら」。就実こども園出身の「瑞風クルー」が誕生する日は、意外に近いかもしれません。

 子どもたちの様子を見守る園長は、「岡山がくだもの王国であることは近年知られるようになってきましたが、まだ知られざる魅力はいっぱいあります。毎年夏に行われるお祭り『うらじゃ』などもその一つ。鬼をイメージしたメイク姿での踊りを一度ご覧ください」と話します。

 「晴れの国」と呼ばれる岡山ですくすく育つ子どもたち。その幼心にも特別な存在として「瑞風」の姿が刻まれていること、改めて嬉しく感じました。