第15回目も「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」のクルーたちによる「お礼訪問」についてお伝えします。訪れた山口県・広島県・岡山県の皆様やクルーらからのメッセージをご覧ください。
「瑞風」ご乗車のお客様に対し、日頃から「おもてなし」を実施してくださっている沿線地域の皆様のもとへ感謝の気持ちを伝えに伺うのが「お礼訪問」です。
立ち寄り観光のため、山口県では萩駅・東萩駅・岩国駅、広島県では宮島口駅・尾道駅、岡山県では倉敷駅・岡山駅に停車している「瑞風」。沿線の皆様から、あたたかい歓迎を受けています。また、経由する三原駅(広島県)でも地元の「やっさ踊り」をご披露いただくなど、さまざまな場所で目にする趣向を凝らした「おもてなし」は、「瑞風」の旅の醍醐味にもなっています。
そんな3県のスポットを、今年の1月末から2月上旬にかけて、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」や「瑞風バス」のクルーたちが巡り、皆様と楽しく交流を深めてきました。「お礼訪問」後に寄せられたメッセージをお届けします。
吉川史料館 館長代行 隅喜彦さん
「瑞風」が岩国駅に停車し、吉川史料館へとお立ち寄りいただくことが決まってからは、さまざまな準備を進めました。城山や岩国城天守閣を背景とする眺めをパノラマにするため老齢の松を抜去し、施設の改修を実施。さらに「おもてなし」のことも検討しました。
その結果、閑静な環境に接しながら、吉川家830年余の伝来の資料と良質な美術工芸品を学芸員の説明により鑑賞してもらい、岩国藩鉄砲隊の演武も史料館の庭でご覧いただくことにしました。早くも1年8カ月ほど経ちましたが、一同の歓迎の想いが天に通じてか、お立ち寄りの日は必ずと言っていいほど晴天に恵まれております。
2月7日、「瑞風」クルーのご一行が当史料館へ来訪されました。JR西日本の代表的プロジェクトである「瑞風」の運行に携わり、洗練された品格を備えられた方々と接することができました。大変有意義な体験となりましたことに感謝しています。
三原市経済部観光課 観光振興係長 井上典彦さん
三原市を代表する祭りで、毎年8月に開催される「三原やっさ祭り」。そのなかで最もにぎわう「やっさ踊り」を、2017年6月の運行開始時から三原駅ホームで披露し、車内のお客様にお楽しみいただいています。また、運行開始1周年の記念停車時にもお出迎えを行うなど、三原市をPRする絶好の機会として「おもてなし」に取り組んでいます。
瀬戸内海の多島美は、三原市が誇る観光資源です。大小さまざまな島が広がる景色を車窓からご堪能いただくとともに、歓迎の気持ちを表す横断幕をビューポイントに掲示して瀬戸内・三原の魅力をお伝えしています。
今回の「お礼訪問」では、お客様の感想や車内でのご様子、クルーの視点についてなど、貴重なお話を伺えました。「瑞風バス」の乗務員をはじめ、普段は接する機会も少ない関係者の皆様との交流も深まり、「瑞風」に対する愛着もいっそう強くなりました。今後さらに「おもてなし」の磨き上げを図り、三原市への誘客に努めていきたいと考えています。
尾道幼稚園 園長 坂井正男さん
寒いなか千光寺山の中腹にある尾道幼稚園まで、「瑞風」のクルーや尾道駅の方など、約20名の皆様に訪問して頂きました。「瑞風」の安全で快適な運行のためには、実際にはもっと多くの方が関わっておられると思います。
きれいなユニフォームに身を包んだクルーの皆さんでしたが、ただ単にお客様の応対だけではないところに、この仕事の重みを感じます。以前、読みました島秀雄さん(新幹線の実現に貢献した鉄道技術者)に関する書物によれば、新幹線が開業して間もない頃、走行中の車両の異変に気がついたのは、乗務していた車掌さんだったそうです。部品の不良が原因でしたが、この車掌さんは事故を未然に防いだ功労者だと書かれていました。クルーの皆様の笑顔のなかにも、「瑞風」に乗務しているという責任や誇りを感じることができたように思います。将来、園児の多くが「瑞風」のお客さんになれば幸いです。
ジェイアール西日本リネン 平井敦夫さん
当社は、支店および工場のある岡山を拠点に、シーツや枕カバー、タオルやテーブルクロスなど、「瑞風」の客室およびレストランのリネン用品を取り扱っている企業です。お客様の肌に直接触れるものですので、細心の注意を払い、最高の品質、最高の肌触りの製品をご提供できるよう取り組んでおります。
日頃、裏方に徹している私たちですが、今回「お礼訪問」として、「瑞風」クルーの方々にお越しいただきました。お客様のご感想など皆様からのお言葉を伺い、再度、気持ちが引き締まる思いでした。
ジェイアール西日本リネン岡山支店での意見交換の様子。
「瑞風」へのリネン提供に加え、
お客様へのお手振りに対するお礼も伝えました
今後も、徹底的に洗濯や仕上げにこだわり、さらに高品質なものとなるよう努めてまいります。最高の列車「瑞風」で最高の旅をお客様に楽しんでいただくために、少しでもお力添えできればという思いで、スタッフ一同、これからも頑張ってまいります。
「瑞風バス」 運転係 川崎拓也
私たちが運行する「瑞風バス」に対しても、地域の皆様が笑顔でお手を振ってくださっています。こういったお手振りにはお客様が大変感動されているだけでなく、私たちの励みにもなっており、いつかお礼を伝えたいと思っていましたが、「お礼訪問」に参加し、直接お伝えすることができました。
訪問先の深江保育園(広島県)では、園児の皆さんからの素直な疑問や応援を直に聞くことができ、変わりない「瑞風」への期待を感じました。また、「運転頑張ってね!」といった優しい励ましの言葉も頂戴し、乗り心地のいい運転を行い、お客様に安全で快適なご旅行を楽しんでいただきたいと、改めて実感しました。列車「瑞風」と「瑞風バス」が安全に美しく走ることで子どもたちへ夢を与えられるよう、これからも誇りをもって業務に励んでまいります。
「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」 サービスクルー 吉本絵美
それぞれの沿線や立ち寄り観光地での「おもてなし」に対し、お客様が驚き、感動し、喜んでいらっしゃるご様子を普段から拝見してきました。沿線の皆様のあたたかさを日々感じ、感謝の気持ちでいっぱいです。
「瑞風」にご乗車のお客様にわかりやすく見えるよう、歓迎の仕方を工夫してくださっているなど、今回の「お礼訪問」を通じて、皆様の細やかなお心遣いを改めて知ることができました。毎回「瑞風」の到着を楽しみにお待ちくださっていることも実感。クルーを含めお客様との交流を非常に大切にしていただいてることに感動しました。
これからも沿線の魅力をお伝えしていくことはもちろん、沿線の皆様の応援や歓迎の声を届けていくことが、私たちの役目だと強く感じています。お手振りなどの「おもてなし」にお応えできるよう、車内からも積極的にお声がけをし、地域の皆様とお客様とをつなげていきたいです。
山口県・広島県・岡山県と、訪れたすべての場所で「瑞風」への強い期待が感じられた今回の「お礼訪問」。「瑞風バス」の川崎運転係によれば、ある園児からの「私も『瑞風』に乗ってみたい!」という言葉も深く心に残ったとのことでした。お客様としてなのか「瑞風」クルーとしてなのかはわからないものの、「瑞風」にまつわる感動が、未来の「おもてなし」にもつながっていくであろうことに胸が熱くなりました。
次回の「お礼訪問」では、鳥取県や北近畿を訪問します。